小林弘幸先生は、自律神経を整えるための習慣を身につけることが、心身の健康を維持する上で極めて重要だと強調しています。彼の著書『整える習慣』『はじめる習慣』『リセットの習慣』では、忙しい現代人が日常生活の中で実践できるシンプルで効果的な方法を提案しており、これらを取り入れることで、自律神経のバランスが整い、より元気で充実した生活が送れるようになります。
自律神経は私たちの身体をコントロールしている大切な神経系で、交感神経と副交感神経がバランスよく働くことで健康を保っています。しかし、現代社会ではストレスや不規則な生活習慣が原因で、交感神経が過剰に働き、副交感神経がうまく働かないことが多くなっています。その結果、体調不良や精神的な不安定さが生じることが多いのです。
本記事では、小林先生の3つの著書の内容を基に、具体的に自律神経を整えるための方法を時間帯ごとに紹介し、忙しい日常の中で実践できる習慣を取り入れる方法について詳しく解説します。
自律神経の基本的な理解
自律神経は、私たちが意識することなく働き、心臓の鼓動や呼吸、消化などを調整しています。自律神経は大きく分けて2つの神経から成り立っています。
- 交感神経: 活動的な状態を促進し、体を「戦うか逃げるか」の状態にする神経です。心拍数を増加させ、血圧を上げ、身体にエネルギーを供給します。緊張状態やストレスを感じたときに働きます。
- 副交感神経: 休息や回復を促進し、リラックスした状態を作る神経です。心拍数を下げ、血圧を正常に保つ働きがあります。リラックスしているときや、寝ているときに優位になります。
理想的には、交感神経と副交感神経がバランスよく働き、身体が適切な状態で保たれることが求められます。しかし、現代社会では交感神経が過剰に働き、リラックスする時間を持つことが難しくなっているため、自律神経のバランスが崩れがちです。
1. 「整える習慣」:自律神経を整えるために必要な基本的な習慣
小林弘幸先生の著書『整える習慣』では、自律神経を整えるために日常生活で意識すべき習慣を提案しています。以下に、1日の時間帯ごとにどのようなことを実践すればよいのかを紹介します。
朝の習慣
- 規則正しい起床時間 毎日同じ時間に起きることは、体内時計を整えるために非常に重要です。体内時計が整うことで、交感神経と副交感神経の切り替えがスムーズになります。早起きして朝日を浴びることが、1日のスタートを気持ちよく切るために欠かせません。
- 朝日を浴びる 起きたらカーテンを開けて、できるだけ自然光を浴びましょう。朝日を浴びることで体内時計がリセットされ、交感神経が適切に働き始めます。また、朝の光を浴びることで、夜の睡眠の質も向上します。
- 軽いストレッチと深呼吸 朝起きた後、軽いストレッチや深呼吸をすることは、自律神経を整えるために非常に効果的です。ストレッチは筋肉をほぐし、血流を良くして身体を目覚めさせます。深呼吸をすることで、副交感神経が優位になり、心を落ち着けることができます。
- 栄養バランスの取れた朝食 朝食は1日のエネルギー源です。バランスの良い食事を摂ることで、交感神経が活性化し、体内のエネルギーが補充されます。特に、良質なタンパク質と野菜を取り入れた朝食を心がけましょう。
昼の習慣
- 軽い運動と休憩 昼間は活動的な時間帯ですが、長時間座りっぱなしだと交感神経が過剰に働きます。定期的に立ち上がり、軽い運動をしたり、短時間の散歩をすることで、副交感神経が働きやすくなります。休憩時間に深呼吸やストレッチを行うことも有効です。
- 昼食後のリラックス 昼食後は、消化を促進するために、軽く休憩を取ることが大切です。仕事の合間に5分間でも目を閉じて深呼吸をするだけで、心身のリセットになります。午後の仕事を効率よく進めるためにも、昼食後のリラックスは欠かせません。
夜の習慣
- 夕食は軽めに 夕食は消化に負担がかからないように、軽めに摂ることが推奨されます。重い食事を摂ると、交感神経が活発になり、寝つきが悪くなることがあります。軽い食事を摂ることで、身体をリラックスさせ、眠りの準備が整います。
- お風呂でリラックス お風呂はリラックスするための大切な時間です。ぬるめのお湯に浸かることで、副交感神経が優位になり、体温が下がる準備が整います。お風呂に入ることで、リラックスした気分で夜を迎え、良質な睡眠を得ることができます。
- 寝る前のルーチン 寝る前の1時間は、心と体をリラックスさせる時間にしましょう。スマートフォンやパソコンを使わず、読書や静かな音楽を聴いたり、深呼吸をしたりすることで、睡眠に向けて体を整えることができます。
2. 「はじめる習慣」:自律神経を整えるための朝のスタートダッシュ
本書で特に参考になった点をいくつか列挙します。
昼食の工夫
昼食は、なるべく軽めで消化が良い食事を心がけましょう。脂肪分が多かったり、糖分が多かったりする食事は、交感神経を過剰に活性化させる可能性があるため、バランスの取れた食事を摂ることが大切です。
毎日同じ時間に寝る
規則正しい睡眠時間を確保することで、体内時計が整い、より質の良い睡眠を得ることができます。毎日同じ時間に寝ることを習慣にすることで、自律神経が安定し、朝の目覚めがスムーズになります。
3. 「リセットの習慣」:自律神経を整えるための夜のリラックスタイム
現代社会における過剰な情報や長時間の働きすぎ、過度なストレスは交感神経を活発にしすぎてしまい、結果的に副交感神経の働きが鈍くなることが多いのです。このような状態が続くと、心身の調整がうまくいかず、疲れが取れにくくなったり、睡眠障害や不安感、体調不良に悩まされることになります。
小林弘幸先生は、リセットの習慣を取り入れることで、自律神経のバランスを再調整することができ、心身の健康を取り戻すことができると提唱しています。いくつか参考になったものを挙げます。
朝の温かい飲み物を摂る
コーヒーや緑茶など、温かい飲み物を摂ることで身体が温まり、血行が促進されます。温かい飲み物は、消化器系にも良い影響を与え、1日のスタートをスムーズに切るための準備が整います。私はこの話を読んでから、毎朝バンホーテンのココアを飲むようにしています。美味しくて食物繊維も豊富で心も温まる感覚が好きです。ココアに無調整豆乳を入れて飲むとさらに栄養たっぷりです。
休憩時間のリセット
昼間は、仕事や勉強などで活動的な時間帯ですが、長時間続けていると交感神経が過剰に働き、疲労やストレスが蓄積していきます。小林弘幸先生は、仕事の合間にこまめにリセットの時間を取ることを勧めています。5~10分の短い休憩でも効果はあるそうです。
- 深呼吸をする: 深呼吸を繰り返すことで、副交感神経が働き、リラックスできます。
- 目を閉じて静かに過ごす: 少し目を閉じて、心を落ち着ける時間を作りましょう。
寝る前のリセット
寝る前には、リラックスできる環境を作りましょう。寝る前の1時間は、リラックスする時間として使うことが大切です。スマートフォンやPCを使わず、静かな時間を過ごすように心がけます。
おすすめは、軽い読書や静かな音楽を聴くことです。また、寝室を暗くし、快適な温度に保つことも、良質な睡眠を促進します。
結論:自律神経を整える習慣は生活の質を向上させる
小林弘幸先生の3冊の著書『整える習慣』『はじめる習慣』『リセットの習慣』を通じて、自律神経を整えるための習慣は、単なる一過性のものではなく、生活全体にわたる意識的な変化が必要であることがわかります。1日の時間帯ごとに、規則正しい生活とリラックスする時間を取り入れることで、交感神経と副交感神経のバランスが整い、心身の健康を維持することができます。
「整える習慣」「はじめる習慣」「リセットの習慣」を実践することで、毎日がより健康で充実したものになります。自律神経のバランスを整えるためには、少しずつ習慣を改善していくことが大切です。健康的な生活を送り、心身の安定を得るために、ぜひ今日から実践してみましょう。